吉野熊野国立公園の一部であり、国の天然記念物にも指定される瀞八丁(どろはっちょう)は、「日本一の渓谷美」とも称される景勝地です。和歌山・三重・奈良の三県にまたがる瀞峡(どろきょう)の中心をなすこの一帯は、澄みきったエメラルド色の水をたたえ、切り立った岩壁が織りなす風景で訪れる人を魅了します。
ウォータージェット船でめぐる
瀞峡は、川沿いの乗船場からウォータージェット船に乗って体験することができます。乗船場から上流へ向かい、瀞八丁にさしかかると、川の両岸に洞天門、亀岩、堕落岩、とさか岩といったさまざまな奇岩が次々と現れ、美しい風景が目に飛び込んできます。さらに奥へ進むと、船は和歌山・三重・奈良の三県が出合う田戸の休憩場に到着します。かつてこの地には、窓からの眺めが県境をまたぐという風情ある宿がありました。幽玄の楼閣といった趣の建物は今も静かにたたずみ、往時をしのばせています。
周辺の見どころ
瀞峡の観光とあわせて、周辺にも足を延ばしたい名所が数多くあります。車で数十分ほどの範囲に、かつての鉱山で使われた小さなトロッコ列車に乗って向かう秘湯、「日本の棚田百選」に選ばれ、テレビでもたびたび紹介されてきた丸山千枚田、熊野古道の峠道、そして「日本の滝百選」に選ばれた布引の滝など、自然の造形と人の営みが調和した風景が広がります。特産のキジ肉を使った料理など、土地ならではの味覚も旅の楽しみのひとつです。
夏の風物詩
毎年八月上旬には、河川敷で花火大会が開催され、渓谷の夜空を彩ります。深い緑の峡谷と、清冽な水の流れ。瀞八丁は、熊野の「山」と「水」の豊かさをひときわ強く感じさせてくれる場所です。吉野熊野国立公園については環境省・吉野熊野国立公園もご参照ください。